「さけびいつこうこうげんしんくいのはて」抄

『あ・ほうかい』10号所収の詩です。4つの詩からなっています。

 

   さけびいつこうこうげんしんくいのはて

                           橋本正秀


   しんくい

 

なまみさいなむ
いきみしにみに
いっしん ひとつ
けいがいおどるおんみたいせつ
ぶたいみつ
てらいからみに
いたいどうたい ふたつみつ

こたえるほねみおしまぬほねみ
はだみはなさぬこいぬにこねこ
どうどうわいしようきりきざむせいたい
ぼたいぼたいによたいはるか
なぼでえいくろうばあのよう
ぬりかえきせかえ
ぼでい いつつ

はかげくもるげんげしのぶ
ゆうべのあしたひくるまにまに
まのびまあたらし まんまるい
みむらみたらいみするぎ
みまかるか ゆうべ

 

   ひくるままつひ

 

ひとひひとひちりゆくおきなちご
ひとしれずひとりちごにそだちゆくひ
ひとりひかげにひそみ
ひとひらひらまうひととき
ひたまつひらあやまりのひしめく
ひのべするひめやしやひんやり
ひさぐひんきゆうのひしや
ひしやげるひんいひんかく

 

    ここのさけびに

 

ここここに
とびちるむくのここ
もとめもとめるむくのなんごここのほとばしり
ぎんせいかんせいりようげんのひろがり
やどすきようせいときをまつげいは
とがりたつどせいばせいかんごえにちぢむみひとつ

 

   ねじれよじれこよりひねりに

 

ねじれねじくれるはれぶた
ねじりねじあげるはれのひ
ねじまげるゆうひいつこく

よじれよじる
ねんてんはじいるおだまきまんげ
こじれるはなびしやく
こじるしんげつ

ちぢこまるすたあちす
しなうしわるはりつめる
ひかげにひなた
たわむたわめる
たばねためるぜいりよく
ときはなつ
ひさんむざん
ひとひこすもす

まがるひんまがる
まげるひんまげる
まげるひんまげる
まがるひんまがる
おしまげるあさひ

くねりはじらう
ひんしひしようぴらかんさ
くねるうねるこよるひねる
はるのおもいひとくねり
なになくなにゆえざんげさく
ねじれしんくい